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「手のかかる子ども」だったほうが、都合がいい。
2020.6.9

 

世の中には

「こういうふうに子どもに接すると、こうなりますよ」

「こういう言葉を掛けると、子どもがこんなふうに変わります」

というような、

子育てに関するハウツー(テクニック)が

溢れています。

 

 

 

子育てがうまくいかず、

悩んだお母さんは、たいてい、

このようなハウツーに

飛びつきます。

 

 

言うことを聞く子どもに育てるためには

どうしたらいいのか。

 

自分に自信が持てる子どもに育てるためには

どうしたらいいのか。

 

努力をすることのできる子どもに育てるためには

どうしたらいいのか。

 

適応能力の高い子どもに育てるためには

どうしたらいいのか。

 

お友達と仲良く遊ぶことができる子どもに育てるためには

どうしたらいいのか。

 

自ら学習に取り組む子どもに育てるためには

どうしたらいいのか。

 

 

 

 

 

これ、すべて、

「いまの子どものままではダメ」が

スタートにあるわけです。

 

 

 

 

「このままじゃ困る」

もしくは

「こうなったほうがもっといい」

と思っているから

ハウツーに意識が向くわけですね。

 

 

 

 

ただ、

「いまの、ありのままの、あなたではダメです」

というメッセージが

どうしても

子どもに伝わってしまって。

 

 

 

「ハウツー」によって、

お母さんにとっての

「理想の子」に

近づけることはできるかもしれませんが

「いまの、ありのままの、自分では、ダメなんだ」

という感覚が

子どもの無意識下に

残ってしまうことも多い。

 

 

 

 

だから、

お母さんにとっての

「理想の子」に

近づけようとすればするほど

子どもが

「本来の自分」から

離れていってしまうことがあるということは

意識していたほうが

いいかもしれない。

 

 

 

 

もちろん

「理想の子」を設定して

そう育つようにあれこれがんばるのも

お母さんの愛情だし

「絶対に否定せずに育てる」なんて

きっと無理だと思うんです。

 

日本で子育てをする場合は

「しつけ」も

ものすごく大切にされているしね。

 

お母さんにとって

「これだけは譲れない」ということも

あるはず。

 

 

 

 

だから、

子どもの何もかもを

ゆるしたり尊重したりする必要は

たぶんないのだけれど

私たちお母さんの掛ける言葉や表情には

「いまの、ありのままの、あなたではダメです」

というメッセージが

含まれてしまっていることもある、ということを

意識しておくことは

すごく大切じゃないかなあと

思うのです。

 

 

 

 

で、ですね。

 

今日書きたかったことは

このことではなくて。笑

 

 

 

 

そもそも、

そういうハウツーが

うまくいかない子どもって

いると思うんです。

 

 

「育児書には、こういう言葉を掛けると

子どもはこう変わると書いてあるのに

うちの子はさっぱり・・・」

 

「こんなテクニックを使うと

うまくいくって書いてあるのに

全然効果がない・・・」

 

みたいな、ね。

 

 

 

 

うちの息子も

例に漏れず、そういうタイプで。

 

 

 

 

私はずっと

子どもに関わる仕事をしてきたので

子育てのテクニックは

たぶん普通のお母さんより知っているし

実践もしてきていると思います。

 

 

言い方は適切じゃないかもしれませんが

「子どもを思い通りに動かすこと」は

得意だと思っていた。

 

 

 

それがですね、

息子には

まっっっったく通用しなかったんです。

 

 

 

褒めてもおだてても乗せようとしても

釣ろうとしても励ましても

「ぼくはこうしたい」を

譲らなかった。

 

もうこれは、

ほんとうに赤ちゃんのときから。

 

 

 

お洋服だって、

私の選んだものは着ない。

嫌だと思ったら、小さいころから脱いでしまう。

 

 

 

お陰で、

パンツ(ズボン)は

全く同じものを、80センチから120センチまで

サイズアップして購入しています。

(同じサイズのものを5枚以上購入します^^;)

 

 

靴も、同じデザイン、同じ色のものを

3〜4足サイズアップして

購入していました。

(いまは、違うデザインのものを

選んでくれるようになりました)

(もちろん、私のアドバイスは

一切聞きませんが・・・)

 

 

 

 

服に関してだけではなく

食事に関しても同じで。

 

 

 

 

自分が食べたくないものは

ほんとうに、一切食べない。

 

 

 

出されたものが

「食べたくないもの」ならば

一切食べずに

冷蔵庫やらを漁って

自分で何か食べています。

(ちなみに、保育園では

それなりに適応している)

 

 

 

 

 

こんな子です。

ハウツーが通用しません。

 

 

 

 

 

ただね、

私にとっては都合がよかったんです。

 

もちろん、

無意識下で。

 

 

私には、

「がんばらないと認められない」

「苦労しなければ幸せになれない」

「困難な状況で、人の何倍も努力し、

ちゃんと結果を出さなければ、認められない」

みたいな思い込みが

根強くあります。

 

 

 

 

だから、子育てにおいても、

がんばらなければいけなかったし、

苦労しなければいけなかったし、

困難な状況じゃなければいけなかったし、

人の何倍も努力しなければいけなかった。

 

 

 

 

そのために、

息子のような

「ハウツーが通用しない子」は

(無意識だけれど)

都合が良かったんですね。

 

 

 

大変だ、大変だ、と言いつつ

「こういう子じゃないと

自分の思い込み通りにはならなかった」ので

無意識下では

「こういう子どもであること」を

望んでいたんですね。

 

 

 

 

ただ、想定外というか、

これまで(過去)と違ったのは、

「結果が出なかった」

ということです。

 

 

 

 

これまでは、

自分次第なところがあって、

なんらかの結果が出せてきた。

 

 

 

 

でも、子育てとなると、

結果が「子どもの姿」なんですね。

 

 

 

「結果が出せてこそ、私は認められる」

と思い込んでいる私にとって、

「全く変わっていかない子ども」が

目の前にいることが

ほんとうに苦しかった。

 

 

 

 

ただ、そのお陰で

不必要な思い込みに気づき、

幸せに生きられるようになりました。

 

 

 

 

 

「ハウツーが通用しない子ども」

「手のかかる子ども」

に翻弄され、悩んでいるお母さんって

ほんとうに多いのですが、

じつは、

そのほうが(無意識下では)都合がいい、

ということが多々あります。

 

 

 

もしかしたら、もうそろそろ、

「がんばらなければ認められない」

みたいな思い込みを

アップデートするときなのかもしれません。

 

 

がんばっていなくても、

苦労をしていなくても、

困難な状況じゃなくても、

結果を出すことができなくても、

あなたは、価値のある人なんです。

 

 

 

 

人に認められたいがために、

じつは幸せを遠ざけてしまっていること、

結構ありますよ。

 

 

 

 

 

今日も、すてきな1日を。

 

 

 

 

 

福田花奈絵